登録販売者試験に受験資格は必要?【結論:誰でも受験できます】
「高卒でも受けられる?」「実務経験がないと無理?」――登録販売者試験でいちばん多い疑問に、公的機関の発表をもとにお答えします。あわせて、合格した後に必要となる「店舗管理者の要件」との違いも整理しました。
最終更新:2026年7月28日
1受験資格は「ありません」
かつては「薬局等での実務経験1年以上」または「一定の学歴」が受験の条件でしたが、東京都保健医療局の説明によれば、平成26年厚生労働省令第92号により「平成27年4月1日に施行され、登録販売者試験の受験資格として求められた薬局等での実務経験要件を不要とすることなどの改正が行われました」。つまり平成27年度の試験から、実務経験要件等は不要となっています。
2ただし「受験できる」と「一人で売り場に立てる」は別
ここが最も誤解されやすい点です。試験に合格し、都道府県に「販売従事登録」をすれば登録販売者として働き始められますが、いきなり店舗管理者(=その店舗の医薬品販売の責任者)になれるわけではありません。管理者になるには、別に定められた実務・業務の従事期間の要件を満たす必要があります。
| 区分 | 必要なもの | 時期 |
|---|---|---|
| 試験の受験 | なし(誰でも受験可) | いつでも |
| 登録販売者として働く | 試験合格+販売従事登録 | 合格後 |
| 店舗管理者・区域管理者になる | 過去5年間のうち一定期間の実務・業務経験(+場合により研修) | 働きながら積み上げる |
この要件を満たしていない登録販売者については、施行規則により名札にその旨が容易に判別できるよう必要な表記をしなければならないと定められています。ドラッグストアで見かける「登録販売者(研修中)」という名札がこれにあたります。
出典:広島県「登録販売者制度について」(「登録販売者(研修中)」と標記、「研修中」である旨のシール貼付等。根拠として施行規則第15条第2項・規則第140条第2項を提示)
3合格後の手続き:販売従事登録
試験に合格しただけでは、まだ登録販売者として医薬品を販売することはできません。最初の就業地を管轄する都道府県に「販売従事登録」を申請する必要があります。
注意したいのは、試験を実施した機関と、登録を受け付ける機関が同じとは限らないことです。関西広域連合の受験案内には「登録販売者試験合格後の販売従事登録は、最初の就業地を管轄する都道府県へ申請してください。関西広域連合では販売従事登録は行いません」と明記されています。
出典:関西広域連合「令和8年度登録販売者試験受験案内」1ページ「試験実施についての注意事項」
4店舗管理者になるための要件(第2類・第3類を扱う店舗)
第2類・第3類医薬品を販売する店舗の管理者になれる登録販売者の要件は、大きく次の3パターンです。いずれも「過去5年間のうち」という期間の枠がある点に注意してください。
基本の3パターン
| パターン | 従事期間 | 追加で必要なもの |
|---|---|---|
| ア | 過去5年間のうち通算2年以上 | なし |
| イ | 過去5年間のうち通算1年以上 | 継続的研修+厚生労働大臣が必要と認める研修(追加的研修)の修了 |
| ウ | 通算1年以上 | 過去に店舗管理者または区域管理者として業務に従事した経験 |
ここでいう「従事期間」は、薬局・店舗販売業・配置販売業において、一般従事者として薬剤師または登録販売者の管理・指導の下で実務に従事した期間と、登録販売者として業務に従事した期間の合計です。合格前にアルバイトとして働いていた期間も、条件を満たせば算入できます。
出典:宮城県「登録販売者の店舗管理者等の要件と実務又は業務従事の証明について」/東京都保健医療局「登録販売者制度の改正について」
「1年」「2年」の数え方には2つの物差しがある
ここが実務でいちばん間違えやすいところです。従事期間は月単位で計算しますが、その月を1か月とカウントできるかどうかに時間の下限があり、さらに総従事時間で満たす代替ルートも用意されています。
| 要件 | 月単位で数える場合 | 総時間で満たす場合 |
|---|---|---|
| 2年以上(パターンア) | 1か月に80時間以上従事した月を1か月として24か月 | 月あたりの時間数にかかわらず月単位で通算2年以上あり、かつ過去5年間で合計1,920時間以上 |
| 1年以上2年未満+研修(パターンイ) | 1か月に160時間以上従事した月を1か月として12か月 | 月単位で通算1年以上あり、かつ合計1,920時間以上 |
| 1年以上+管理者経験(パターンウ) | 1か月に160時間以上従事した月を1か月として12か月 | 月単位で通算1年以上あり、かつ合計1,920時間以上 |
当分の間の経過措置
上記に当てはまらない場合でも、平成21年6月1日以降に従事期間の合計が通算5年以上あり、かつ継続的研修・追加的研修(またはこれと同等以上の研修)を通算5年以上受講した者は、当分の間、管理者になることができるとされています。この場合の時間要件は、月80時間以上を1か月とするか、月単位で通算5年以上かつ合計4,800時間以上です。
第1類医薬品を扱う店舗の場合
第1類医薬品を販売する店舗で、薬剤師を管理者とすることができない場合に登録販売者が管理者となるには、過去5年間のうち通算3年以上の従事期間が必要です(月80時間以上を1か月とするか、月単位で3年以上かつ過去5年間で合計2,880時間以上)。第2類・第3類のみの店舗より要件が重くなります。
5よくある勘違い
- 「実務経験がないと受験できない」→ できます。平成27年4月1日以降、実務経験は受験の条件ではありません。未経験・異業種からの受験も一般的です。
- 「合格したらすぐ一人で売り場に立てる」→ 立てません。管理者要件を満たすまでは「登録販売者(研修中)」の表記が必要です。
- 「合格に有効期限がある」→ ありません。ただし販売従事登録は就業地の都道府県で別途手続きが必要です。
- 「実務経験は合格後の分しか数えない」→ 合格前も算入できます。薬剤師または登録販売者の管理・指導の下で一般従事者として実務に従事した期間も対象です。
- 「パート勤務では要件を満たせない」→ 満たせる場合があります。総従事時間1,920時間以上という代替ルートがあります。
6受験資格がないなら、あとは受かるだけ
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7あわせて読みたい
出典・参考にした公式発表
- 東京都保健医療局「登録販売者制度の改正について」――平成26年厚生労働省令第92号/平成27年4月1日施行、管理者要件ア・イ・ウ、名札の表記
- 宮城県「登録販売者の店舗管理者等の要件と実務又は業務従事の証明について」――従事期間の数え方(80時間・160時間・1,920時間・2,880時間・4,800時間)、第1類を扱う店舗の3年要件
- 広島県「登録販売者制度について」――管理者要件の類型、「登録販売者(研修中)」の表記、根拠条文
- 福岡県「登録販売者の業務経験(従事期間)について」――要件の類型と証明書の様式
- 関西広域連合「令和8年度登録販売者試験受験案内」(PDF)――受験資格の項目が存在しないこと、販売従事登録の申請先
- 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」
管理者要件は都道府県によって案内の書きぶりが異なるため、本ページでは宮城県と広島県という2つの公表資料を突き合わせ、記載が一致する内容のみを掲載しています。
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